Language: 日本語 (This talk will be given in Japanese, but the slides are supposed to be written in both Japanese and English.)
Abstract: 近年、宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) の観測から、宇宙複屈折と呼ばれる現象の兆候が報告されています。これは、CMB の偏光面が宇宙中で一斉に回転する現象です。全ての光子の偏光面が同じ向きに回転することから、宇宙のパリティ対称性を破る現象として知られています (Komatsu 2022)。よって、この信号が真実であれば、背後に何かしらの新物理の存在が強く示唆されます。特にアクシオン様粒子と呼ばれる未知の素粒子が、その起源の候補として注目され盛んに研究されています (Fujita et al. 2021)。アクシオン様粒子は暗黒物質や暗黒エネルギーの候補でもあり、宇宙複屈折はこのような問題を解く鍵として期待されています。一方で、現状の CMB の観測には系統誤差などいくつかの問題があります (Minami et al. 2019, Nakatsuka et al. 2022)。本講演では、宇宙複屈折の理論的な背景と現在の観測的な状況を基礎的な部分から述べた後、将来展望についても議論します。特に、電波銀河などの天体を用いた宇宙複屈折の独立検証についての研究を紹介します (Carroll et al. 1990, Naokawa 2026)。