2012年度・東京大学・天文学教育研究センター・談話会†
次回以降の談話会†
第199回: 2012/06/21(木) 15:30-16:30†
小林 正和 (国立天文台)
「宇宙の星形成史におけるダスト減光量補正の妥当性検証」
私の専門は「銀河形成史および宇宙再電離」であり、これまで銀河形成の準解析的モデル
(通称、セミアナ)を用いた理論研究を行ってきた。本コロキウムでは、これを宇宙の星
形成史に応用した研究について報告する。
宇宙における星形成史は、現在の宇宙にある銀河がどのように形成されてきたかを知るう
えで、非常に重要な情報である。様々な波長における連続光・輝線光度を用いた観測結果
は、Hopkins (2004) や Hopkins \& Beacom (2006)にまとめられており、星形成に関係
する観測量を予言する際に、理論家から広く用いられている。一方、我々のモデルを含む
多くの銀河形成の理論モデルから予言される宇宙の星形成史は、観測から得られた値に対
してファクター~3-5 ほど過小評価している。これら理論モデルが、光度関数などの観測
量は再現できている点を考慮すると、星形成史の不一致がどこから来ているのかを調べる
ことは、非常に興味深い。
本発表では、近傍から高赤方偏移にかけて、多様な観測データを再現しうる銀河形成モデ
ル (Kobayashi et al. 2010) を用いて、高赤方偏移で主に用いられる静止系紫外連続光
光度に着目し、この不一致の原因について調べた結果について報告する。
東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, 院生コロキウムに引き続き, 談話会を開いています.
第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます.
講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.
タイムテーブル†
13:30-14:30 | 院生コロキウム | 講義室 |
15:30-16:30 | 談話会 | 講義室 |
16:30- | お茶の時間 | 講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~ |
世話人†
- 本原 顕太郎: kmotohara_at_ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください)
- 酒向 重行: sako_at_ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください)
# | 日付 | 講演者 (所属) | タイトル |
199 | 2012/06/21(木) | 小林 正和 氏 (国立天文台) | 「宇宙の星形成史におけるダスト減光量補正の妥当性検証」 |
- | 2012/07/12(木) | Robert Quimby 氏 (IPMU) | 未定 |
- | 2012/07/19(木) | 松田 有一 氏 (国立天文台) | 未定 |
- | 2012/07/26(木) | Narae Hwang 氏 (国立天文台) | 未定 |
- | 2012/10/04(木) | 吉田 直紀 氏 (東京大学) | 「初期宇宙の進化」 |
終了した談話会(今年度)†
詳細はこちら: 平成24 (2012) 年度談話会
# | 日付 | 講演者 (所属) | タイトル |
194 | 2012/04/02(火) | Richard Blank 氏 (Teledyne Imaging Sensor) | "Focal plane arrays and focal plane electronics for large scientific telescopes – new developments at Teledyne" |
195 | 2012/04/04(木) | 羽澄 昌史 氏 (KEK) | 「宇宙マイクロ波背景放射偏光観測によるインフレーション宇宙の検証」 |
196 | 2012/04/11(木) | 鈴木 尚孝 氏 (LBNL) | 「高精度観測的宇宙論時代へ向けて」 |
197 | 2012/04/26(木) | 和田 桂一 氏 (鹿児島大学) | 「動的平衡状態としての銀河渦巻」 |
198 | 2012/05/10(木) | Chris Packham 氏 (Univ. Florida) | "IR Observations of AGN: Characterizing the Torus" |
昨年度までの談話会†