IoA Seminar 2013 / 2013年度・東京大学・天文学教育研究センター・談話会

次回以降の談話会

第223回: 2013/5/23(木) 15:30-16:30

Speaker: 南谷哲宏 (東京大学/天文学教育研究センター)

Title: Physical Properties of Dense Molecular Clumps in the Small Magellanic Cloud

Abstract:
小マゼラン雲(SMC)は、銀河系の最近傍に位置する系外銀河の1つであり、太
陽系近傍に比べて重元素量が低く、ガス・ダスト比が高いことが知られている。
このような低金属量環境下での巨大分子雲(GMC)の物理状態を明らかにし、そこ
での星・星団形成過程を明らかにするため、口径10mのASTE望遠鏡を用いて、
12CO(J=3-2)輝線による高感度・高空間分解能サブミリ波観測を行った。観測
は、SMC中の9個のGMCに対して行い、14個の分子雲クランプを検出した。これら
のクランプは、大マゼラン雲(LMC)で検出されているクランプに比べてコンパ
クトな構造であった。さらに、ASTEによる13CO(3-2)輝線、Mopra、SEST望遠鏡で
13CO(1-0)輝線観測を行い、これら3輝線のデータのそろった8個のクランプにつ
いて、LVG計算との比較を行った。その結果、これらの分子雲クランプは、温度
13--63K, 密度4x10^3--1.3x10^4 cm-3であると見積もられ、LMC中のクランプに
比べて低温・高密度であった。これらの結果について議論する。

趣旨

東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, 院生コロキウムに引き続き, 談話会を開いています.
第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます.
講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.

日時

場所

標準タイムテーブル

13:30-14:30院生コロキウム講義室
15:30-16:30談話会講義室
16:30-お茶の時間講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~

世話人

予定

#日付講演者 (所属)タイトル
2232013/05/23(Thu)南谷哲宏(東大/IoA)Physical Properties of Dense Molecular Clumps in the Small Magellanic Cloud
2242013/05/30(Thu)田中賢幸(国立天文台)On the formation time scale of massive cluster ellipticals based on deep near-IR spectroscopy at z~2
2252013/06/06(Thu)高橋智子(国立天文台/チリ観測所)Millimeter and Sbumillimeter studies of the Orion Molecular Filaments
2262013/06/13(Thu)新永浩子(国立天文台/チリ観測所)Submillimeter Astronomy at Mauna Kea
2272013/06/27(Thu)戸谷友則(東大)
2282013/06/28(Fri) 13:30-14:30井上開輝(近畿大)

終了した談話会(今年度)

詳細はこちら: 平成25 (2013) 年度談話会

#日付講演者 (所属)タイトル
2222013/05/16(Thu)Gu Liyi(Univ. Tokyo/RESCEU)Multi-wavelength Probe of Galaxy-Hot Plasma Interaction in Rich Clusters of Galaxies
2212013/05/09(Thu)遠藤 光(Delft University of Technology)アストロフォトニクス:オンチップ超伝導分光計DESHIMAの研究開発
2202013/04/26(Fri) 13:30-14:30Malte Schramm(IPMU)The co-evolution between black hole and galaxy over the past 12 billion years.
2192013/04/18(Thu)真喜屋 龍(東大/IoA)宇宙論的銀河形成モデルへの新たなフィードバック機構の導入
2182013/04/11(Thu)小麦真也(国立天文台ALMA東アジアセンター)星形成則の多変数化:星間物質の基本平面の発見

昨年度までの談話会


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