*IoA Seminar 2015 / 平成27年度/2015年度・東京大学・天文学教育研究センター・談話会 [#r718054a] #contents * Upcoming Seminars 次回以降の談話会 [#x853b099] ** No. 271: 2015/10/08 (Thu) 15:30-16:30 [#defcea18] *** Speaker: 川島朋尚 (国立天文台/Center for Computational Astrophysics) [#recf9d88] *** Title: 数値シミュレーションで探るブラックホール降着流・噴出流の観測的特徴 [#m651ef55] 要旨:ブラックホールへの質量降着率や、輻射とアウトフローによるエネルギー放出率、 そしてそれらのメカニズムを明らかにすることは、ブラックホールの成長や母銀河 との共進化を理解する上で必要不可欠である。 ブラックホール周囲の複雑なガスの振る舞いを理解するためには、観測データとの 比較によって理論モデルを検証することが極めて重要である。 談話会では、われわれが実施した輻射流体シミュレーション・データを用いた超臨界降着流 (エディントン限界を超える降着流)の輻射スペクトル計算結果を紹介する。超高光度X線源の X線スペクトルが恒星質量ブラックホールへの超臨界降着モデルで説明できることを示し、 今後の課題についても議論する。また、最近われわれが実施しているG2と相互作用する 銀河中心ブラックホール高温降着流の磁気流体シミュレーション結果を紹介し、今後 約10年の時間スケールで起こると期待される増光について議論する。 ** No. 272: 2015/10/15 (Thu) 15:30-16:30 [#c17742c0] *** Speaker: 新納悠 (国立天文台光赤外線研究部) [#n211107c] *** Title: ガンマ線バーストの起源を探る [#g2fa0d6f] 要旨:継続時間の長いガンマ線バースト(long GRB)は宇宙最大の爆発現象といわれ、少なくともその一部は大質量星の重力崩壊によって引き起こされると考えられている。しかし、大質量星の重力崩壊が必ずlong GRBを引き起こすわけではなく、どのような星がGRBの起源となっているのかは解明されていない。 2000年代の理論的・観測的研究は金属量の少ない大質量星がlong GRBを引き起こしやすいことが示唆してきた。しかし2010年以降、従来研究の問題点が指摘されるとともに、高金属な起源星の存在を示唆する観測例も複数報告され、long GRBの起源を低金属星とする理解に疑問が投げかけられている。 この談話会ではlong GRBの起源の解明に向けたこれまでの理論的・観測的研究をレビューし、従来研究の問題点を克服するために近年とりくまれている研究を、我々のグループによるSubaru/Gemini時間交換プログラムを利用した分光キャンペーンの結果を中心に紹介する。 ** No. 273: 2015/10/29 (Thu) 15:30-16:30 [#c17742c0] *** Speaker: 浜名崇(国立天文台理論研究部) [#n211107c] *** Title: 重力レンズ銀河団計測による宇宙論パラメーター推定とHSC surveyによる重力レンズサイエンス [#y1c9dfc9] 要旨:銀河団はその数密度や空間相関が宇宙の初期密度場の情報を保持しているため 宇宙論パラメータを探る有力な手段となっており、また銀河団中の暗黒物質の密度分布は 暗黒物質の性質を探る手がかりとなるなど、宇宙論研究における有用な天体である。 従来銀河団は、銀河集中や銀河団中の高温プラズマによるX線放射を用いて探査されてきた。 一方、銀河団はその深い重力ポテンシャルにより、比較的強い重力レンズ効果を引き起こす。 私は、すばる望遠鏡SuprimeCamによる11平方度の撮像データを用いて重力レンズ解析を行い その領域の暗黒物質密度分布を求め、そこから7銀河団を検出した。 このデータを用いて、世界で初めてとなる重力レンズ銀河団計測による宇宙論パラメーター推定を行った。 またその将来的な有用性を評価した。 談話会では、始めに重力レンズ現象と銀河団についての基礎的事項をおさらいした後 上記研究(Hamana et al. 2015, PASJ, 67, 34)を紹介します。 最後に現在進行中のHyper SuprimeCam surveyによる大規模サーベイデータを用いた 関連研究の現状と展望を紹介します。 ** No. 274: 2015/11/05 (Thu) 15:30-16:30 [#c17742c0] *** Speaker: 利川潤 (国立天文台光赤外線研究部) [#a6b9478f] *** Title: 広視野観測を用いた原始銀河団探査 [#wa028b51] 要旨:近傍宇宙の観測から銀河団銀河とフィールド銀河では性質が異なり、 銀河の性質と環境には密接な関係があることが知られている。 また銀河団は宇宙の大規模構造において、フィラメントの結合点の ような最も密度が高いところに位置している。 このことから遠方宇宙に存在する形成途中の銀河団(原始銀河団)を 研究することは、銀河進化や構造形成の理解に繋がると考えられる。 我々はSubaru Deep Field、CFHT Legacy Survey Deep Fieldsにおいて 赤方偏移3から6にわたって原始銀河団探査を行なった。 これまでの研究をレビューした上で、我々の探査の結果を報告する。 またHSC Surveyを用いた将来計画も紹介したい。 ** 趣旨 [#aee2547a] 東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, [[院生コロキウム:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/colloquium/wiki/]]に引き続き, 談話会を開いています. 第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます. 講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています. **日時 [#obf728fc] -木曜日 -15:30-16:30 **場所 [#u1b71b6f] -天文センター講義室 **標準タイムテーブル [#ee9b79df] |13:30-14:30|[[院生コロキウム:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/colloquium/wiki/]]|講義室| |15:30-16:30|談話会|講義室| |16:30-|お茶の時間|講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~| **世話人 [#d1aed128] -石井峻: sishii _at_ ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください) -田中培生: mtanaka _at_ ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください) -河野孝太郎: kkohno _at_ ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください) ** Schedule [#re3c4f45] |BGCOLOR(cyan):#|BGCOLOR(cyan): Date|BGCOLOR(cyan):Speakers|BGCOLOR(cyan):Title| |271|2015/10/08 (Thu)|川島朋尚 (NAOJ/CfCA)|数値シミュレーションで探るブラックホール降着流・噴出流の観測的特徴| |272|2015/10/15 (Thu)|新納悠(国立天文台光赤外線研究部)|ガンマ線バーストの起源を探る| |273|2015/10/29 (Thu)|浜名崇(国立天文台理論研究部)|重力レンズ銀河団計測による宇宙論パラメーター推定とHSC surveyによる重力レンズサイエンス| |274|2015/11/05 (Thu)|利川潤(国立天文台光赤外線研究部)|広視野観測を用いた原始銀河団探査| **終了した談話会(2015年度) [#hd234e7c] 詳細はこちら: [[平成27 (2015) 年度談話会]] |BGCOLOR(cyan):#|BGCOLOR(cyan):日付|BGCOLOR(cyan):講演者 (所属)|BGCOLOR(cyan):タイトル| |262|2015/4/09(Thu)|Linda Tacconi (MPE Garching)|The Evolution of Molecular Gas and Star Formation from the Peak Epoch of Galaxy Formation to the Present| |263|2015/4/16(Thu)|齋藤正雄 (NRO, NAOJ)|Starformation Project: SOLA| |264|2015/5/14 (Thu)|秋山和徳 (水沢VLBI観測所, NAOJ)|EHTによるM87のブラックホールの事象の地平面付近の探査| |265|2015/5/21 (Thu)|Toshio FUKUSHIMA (NAOJ)|Precise and fast computation of generalized Fermi-Dirac integral by parameter polynomial approximation| |266|2015/6/11 (Thu)|諸隈佳菜 (NAOJ)|0<z<2における銀河の低温ガス量の進化: ガスを残しつつ星形成を止めるフィードバックの必要性| |267|2015/7/2 (Thu)|江草芙実 (NAOJ/チリ観測所)|Spiral structures of nearby galaxies from CO observations| |268|2015/7/9 (Thu)|John W Menzies (South African Astronomical Observatory)|The Southern African Large Telescope| |269|2015/7/23 (Thu)|市川幸平 (NAOJ)|赤外線観測によるAGNトーラスの研究| |270|2015/9/24 (Thu) |深川美里 (NAOJ/チリ観測所)|サブミリ波・近赤外撮像で探る惑星形成| **これまでの談話会 [#jd1b377c] -[[平成27 (2015) 年度談話会]] -[[平成26 (2014) 年度談話会]] -[[平成25 (2013) 年度談話会]] -[[平成24 (2012) 年度談話会]] -[[平成23 (2011) 年度談話会]] -[[平成22 (2010) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H22.html]] -[[平成21 (2009) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H21.html]] -[[平成20 (2008) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H20.html]] -[[平成19 (2007) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H19.html]] -[[平成18 (2006) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H18.html]] -[[平成17 (2005) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H17.html]] -[[平成16 (2004) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H16.html]] -[[平成15 (2003) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H15.html]]