*IoA Seminar 2016 / 平成28年度/2016年度・東京大学・天文学教育研究センター・談話会 [#tfe64a1c]

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* Upcoming Seminars 次回以降の談話会 [#td072d8d]

** No. 283: April 14th, 2016 (Thu) 15:30 - 16:30 [#s96ddc82]

*** Speaker: 山口正輝 (東京大学天文学教育研究センター (4月から)) [#pabf6dee]

*** Title: 位置天文観測による、長周期系外惑星および星質量ブラックホールの探査 [#ke43279c]

Abstract: 位置天文観測衛星Gaiaを用いて、どのような系外惑星が見つかるか、またどのような星質量ブラックホールが見つかるかを検討した。

 まず、Gaiaを用いた惑星探査についてであるが、過去に複数のグループによって検討され、万単位の惑星系が新たに見つかると期待されてい る(Casertano+08, Perryman+ 14)。しかし、Gaiaミッション期間である5年を超える長周期の惑星に対しては、検出条件を含め詳細な検討がなされていない。このような長周期惑星は 直接観測が可能であるため、地球からどの程度の距離でどのような中心星の惑星系が見つかるかという情報は観測戦略上重要である。したがって、 本研究では幾何学的な検出条件を与え解析的に探査可能惑星について調べた。その結果、10倍の木星質量程度の惑星であれば数日から200年程 度の周期でM型星(地球から10pcの距離)周りを回るものが見つかることが分かった。
 まず、Gaiaを用いた惑星探査についてであるが、過去に複数のグループによって検討され、万単位の惑星系が新たに見つかると期待されている(Casertano+08, Perryman+ 14)。しかし、Gaiaミッション期間である5年を超える長周期の惑星に対しては、検出条件を含め詳細な検討がなされていない。このような長周期惑星は 直接観測が可能であるため、地球からどの程度の距離でどのような中心星の惑星系が見つかるかという情報は観測戦略上重要である。したがって、 本研究では幾何学的な検出条件を与え解析的に探査可能惑星について調べた。その結果、10倍の木星質量程度の惑星であれば数日から200年程 度の周期でM型星(地球から10pcの距離)周りを回るものが見つかることが分かった。

 次にGaiaを用いたブラックホール探査についてであるが、これまで1万個程度
のブラックホール連星系がGaiaで検出可能であることがわ かっている(川中氏学会発表)。この数は、これまで見つかっているブラックホールX線連星系の数(~50個)を遥かに凌ぐものである。しか し、この検討はブラックホールと連星系を組む伴星(主系列星または巨星)のうちGaiaで測光観測可能な星の数を数えたものであり、位置天文 観測でブラックホールを同定できる数ではない。本研究では位置天文観測でどのような周期のブラックホール連星が検出可能かを見積もった。その結果、5太陽質量のブラックホールであれば数日から100年程度の周期の連星系が見つかることがわかった。これを元に、Gaiaで同定できる ブラックホール連星系の数を見積もることができる。


** 趣旨 [#edee9307]
東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, [[院生コロキウム:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/colloquium/wiki/]]に引き続き, 談話会を開いています. 
第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます. 
講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.

**日時 [#mbb6c60b]
-木曜日
-15:30-16:30

**場所 [#db3887ce]
-天文センター講義室

**標準タイムテーブル [#b5427b7f]
|13:30-14:30|[[院生コロキウム:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/colloquium/wiki/]]|講義室|
|15:30-16:30|談話会|講義室|
|16:30-|お茶の時間|講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~|

**世話人 [#x270d401]
-石井峻: sishii _at_ ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください)
-田中培生: mtanaka _at_ ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください)
-河野孝太郎: kkohno _at_ ioa.s.u-tokyo.ac.jp (_at_を@に置き換えてください)


** Schedule [#e1308240]
|BGCOLOR(cyan):#|BGCOLOR(cyan): Date|BGCOLOR(cyan):Speakers|BGCOLOR(cyan):Title|
|283|2016/4/14 (Thu) 15:30 - 16:30|山口正輝 (東大天文センター)|位置天文観測による、長周期系外惑星および星質量ブラックホールの探査|
|28X|2016/6/23 (Thu) 15:30 - 16:30|前澤裕之 (大阪府立大学)|(TBA)|




**終了した談話会(2015年度) [#x4f2d6cb]
詳細はこちら: [[平成27 (2015) 年度談話会]]
|BGCOLOR(cyan):#|BGCOLOR(cyan):日付|BGCOLOR(cyan):講演者 (所属)|BGCOLOR(cyan):タイトル|
|262|2015/4/09(Thu)|Linda Tacconi (MPE Garching)|The Evolution of Molecular Gas and Star Formation from the Peak Epoch of Galaxy Formation to the Present|
|263|2015/4/16(Thu)|齋藤正雄 (NRO, NAOJ)|Starformation Project: SOLA|
|264|2015/5/14 (Thu)|秋山和徳 (水沢VLBI観測所, NAOJ)|EHTによるM87のブラックホールの事象の地平面付近の探査|
|265|2015/5/21 (Thu)|Toshio FUKUSHIMA (NAOJ)|Precise and fast computation of generalized Fermi-Dirac integral by parameter polynomial approximation|
|266|2015/6/11 (Thu)|諸隈佳菜 (NAOJ)|0<z<2における銀河の低温ガス量の進化: ガスを残しつつ星形成を止めるフィードバックの必要性|
|267|2015/7/2 (Thu)|江草芙実 (NAOJ/チリ観測所)|Spiral structures of nearby galaxies from CO observations|
|268|2015/7/9 (Thu)|John W Menzies (South African Astronomical Observatory)|The Southern African Large Telescope|
|269|2015/7/23 (Thu)|市川幸平 (NAOJ)|赤外線観測によるAGNトーラスの研究|
|270|2015/9/24 (Thu) |深川美里 (NAOJ/チリ観測所)|サブミリ波・近赤外撮像で探る惑星形成|
|271|2015/10/08 (Thu)|川島朋尚 (NAOJ/CfCA)|数値シミュレーションで探るブラックホール降着流・噴出流の観測的特徴|
|272|2015/10/15 (Thu)|新納悠(国立天文台光赤外研究部)|ガンマ線バーストの起源を探る|
|273|2015/10/29 (Thu)|浜名崇(国立天文台理論研究部)|重力レンズ銀河団計測による宇宙論パラメーター推定とHSC surveyによる重力レンズサイエンス|
|274|2015/11/05 (Thu)|利川潤(国立天文台光赤外研究部)|広視野観測を用いた原始銀河団探査|
|275|2015/11/26 (Thu)|志達めぐみ(理化学研究所)|ブラックホール X 線連星の降着流・噴出流の観測的研究|
|276|2015/12/17 (Thu)|野沢貴也(国立天文台理論研究部)|超新星とダスト|
|277|2016/1/7(Thu)|大宮正士(国立天文台太陽系外惑星探査プロジェクト室)|近赤外高分散分光による太陽系外惑星探索|
|278|2016/1/28 (Thu)|Toshio FUKUSHIMA(NAOJ)|Rotation curve of M33 explained by dark matter disc|
|279|2016/2/16 (Tue)|Dave Sanders (Institute for Astronomy, Univ. of Hawaii)|The Role of Molecular Gas and Mergers in the Evolution of the Galaxy "Main Sequence"|
|280|2016/2/17 (Wed)|Luis Ho (Kavli Institute for Astronomy and Astrophysics, Peking University)|Supermassive Black Holes: Impact on Galaxy Formation and Evolution|
|281|2016/2/19 (Fri) |Russell Chipman (College of Optical Sciences, The University of Arizona)|Polarization Aberration in Astronomical Telescopes|
|282|2016/3/9 (Wed) 15:30 - 16:30|Eric Gaidos (University of Hawaii)|Atmospheres of TESS Exoplanets: A Ground-Based Perspective|

**これまでの談話会 [#yd3d9671]
-[[平成27 (2015) 年度談話会]]
-[[平成26 (2014) 年度談話会]]
-[[平成25 (2013) 年度談話会]]
-[[平成24 (2012) 年度談話会]]
-[[平成23 (2011) 年度談話会]]
-[[平成22 (2010) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H22.html]]
-[[平成21 (2009) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H21.html]]
-[[平成20 (2008) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H20.html]]
-[[平成19 (2007) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H19.html]]
-[[平成18 (2006) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H18.html]]
-[[平成17 (2005) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H17.html]]
-[[平成16 (2004) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H16.html]]
-[[平成15 (2003) 年度談話会:http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/danwakai//past/danwakai_H15.html]]


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