近傍銀河の約半数は渦巻銀河に分類される。 しかし、渦巻構造の起源や維持機構・寿命などについては、 50年以上議論が続いているにもかかわらず、統一的な見解が得られていない。 そこで今回は、分子ガスのトレーサーであるCO輝線観測をもとにした、 2つの研究結果を紹介する。
1つめは、星の質量分布と分子+原子ガスの質量分布のピーク位置のずれ (=offset)の銀河円盤内での変化である。 理論計算により、腕構造が長寿命(1Gyr程度)である場合には、 このずれが銀河中心からの距離やガスの自己重力の強さに依存すると 考えられるが、近傍渦巻銀河M51で測定したoffsetには、 そのような依存性は見られなかった。 その結果、M51の腕構造は数百Myr程度の時間で変化していると考えられる。
2つめは、COとHαのピーク位置のずれから 腕構造のパターン速度と星形成時間を推定する手法(offset法)である。 12の近傍渦巻銀河にこの手法を適用した結果、 5つの銀河でパターン速度と星形成時間を決定できた。 星形成時間は数〜数十Myrであることから、星形成過程においては 分子雲の自己重力が重要であると考えられる。
The Southern African Large telescope (SALT) is the largest single telescope in the southern hemisphere.Its primary mirror comprises 91 hexagonal segments, each 1 metre across, giving an effective collecting diameter of 9.2 metre. SALT is owned by a number of international partners, of which South Africa is the largest shareholder. I will introduce the telescope, some of its unusual features, and the current suite of instruments. I will finish with some examples of recent science completed with SALT.
東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, 院生コロキウムに引き続き, 談話会を開いています. 第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます. 講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.
13:30-14:30 | 院生コロキウム | 講義室 |
15:30-16:30 | 談話会 | 講義室 |
16:30- | お茶の時間 | 講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~ |
# | Date | Speakers | Title |
267 | 2015/7/2 (Thu) | 江草芙実 (NAOJ) | Spiral structures of nearby galaxies from CO observations |
268 | 2015/7/9 (Thu) | John W Menzies (South African Astronomical Observatory) | The Southern African Large Telescope |
269 | 2015/7/23 (Thu) | 市川幸平 (NAOJ) | TBA |
270 | 2015/9/17 (Thu) | 深川美里 (NAOJ) | TBA |
詳細はこちら: 平成27 (2015) 年度談話会
# | 日付 | 講演者 (所属) | タイトル |
262 | 2015/4/09(Thu) | Linda Tacconi (MPE Garching) | The Evolution of Molecular Gas and Star Formation from the Peak Epoch of Galaxy Formation to the Present |
263 | 2015/4/16(Thu) | 齋藤正雄 (NRO, NAOJ) | Starformation Project: SOLA |
264 | 2015/5/14 (Thu) | 秋山和徳 (水沢VLBI観測所, NAOJ) | EHTによるM87のブラックホールの事象の地平面付近の探査 |
265 | 2015/5/21 (Thu) | Toshio FUKUSHIMA (NAOJ) | Precise and fast computation of generalized Fermi-Dirac integral by parameter polynomial approximation |
266 | 2015/6/11 (Thu) | 諸隈佳菜 (NAOJ) | 0<z<2における銀河の低温ガス量の進化: ガスを残しつつ星形成を止めるフィードバックの必要性 |