継続時間の長いガンマ線バースト(long GRB)は宇宙最大の爆発現象といわれ、少なくともその一部は大質量星の重力崩壊によって引き起こされると考えられている。しかし、大質量星の重力崩壊が必ずlong GRBを引き起こすわけではなく、どのような星がGRBの起源となっているのかは解明されていない。
2000年代の理論的・観測的研究は金属量の少ない大質量星がlong GRBを引き起こしやすいことが示唆してきた。しかし2010年以降、従来研究の問題点が指摘されるとともに、高金属な起源星の存在を示唆する観測例も複数報告され、long GRBの起源を低金属星とする理解に疑問が投げかけられている。
この談話会ではlong GRBの起源の解明に向けたこれまでの理論的・観測的研究をレビューし、従来研究の問題点を克服するために近年とりくまれている研究を、我々のグループによるSubaru/Gemini時間交換プログラムを利用した分光キャンペーンの結果を中心に紹介する。
東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, 院生コロキウムに引き続き, 談話会を開いています. 第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます. 講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.
13:30-14:30 | 院生コロキウム | 講義室 |
15:30-16:30 | 談話会 | 講義室 |
16:30- | お茶の時間 | 講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~ |
# | Date | Speakers | Title |
271 | 2015/10/08 (Thu) | 川島朋尚 (NAOJ/CfCA) | TBA |
272 | 2015/10/15 (Thu) | 新納悠(国立天文台光赤外線研究部) | ガンマ線バーストの起源を探る |
273 | 2015/10/29 (Thu) | 浜名崇(国立天文台理論研究部) | TBA |
274 | 2015/11/05 (Thu) | 利川潤(国立天文台光赤外線研究部) | TBA |
詳細はこちら: 平成27 (2015) 年度談話会
# | 日付 | 講演者 (所属) | タイトル |
262 | 2015/4/09(Thu) | Linda Tacconi (MPE Garching) | The Evolution of Molecular Gas and Star Formation from the Peak Epoch of Galaxy Formation to the Present |
263 | 2015/4/16(Thu) | 齋藤正雄 (NRO, NAOJ) | Starformation Project: SOLA |
264 | 2015/5/14 (Thu) | 秋山和徳 (水沢VLBI観測所, NAOJ) | EHTによるM87のブラックホールの事象の地平面付近の探査 |
265 | 2015/5/21 (Thu) | Toshio FUKUSHIMA (NAOJ) | Precise and fast computation of generalized Fermi-Dirac integral by parameter polynomial approximation |
266 | 2015/6/11 (Thu) | 諸隈佳菜 (NAOJ) | 0<z<2における銀河の低温ガス量の進化: ガスを残しつつ星形成を止めるフィードバックの必要性 |
267 | 2015/7/2 (Thu) | 江草芙実 (NAOJ/チリ観測所) | Spiral structures of nearby galaxies from CO observations |
268 | 2015/7/9 (Thu) | John W Menzies (South African Astronomical Observatory) | The Southern African Large Telescope |
269 | 2015/7/23 (Thu) | 市川幸平 (NAOJ) | 赤外線観測によるAGNトーラスの研究 |
270 | 2015/9/24 (Thu) | 深川美里 (NAOJ/チリ観測所) | サブミリ波・近赤外撮像で探る惑星形成 |