Abstract: ブラックホール降着円盤は、活動銀河核やX星連星といった高エネルギー天体のエンジンと考えられる。しかしながら、降着円盤の構造や内部でのエネルギー変換メカニズムはよくわかっていない。そこで我々は、輻射磁気流体シミュレーションによって第一原理的に降着円盤、ジェット、円盤風の物理を調べている。その結果、質量降着率によって円盤の構造が変わり、低光度円盤からは磁気ジェットが、高光度円盤(super-Eddington disk)からは輻射ジェットが噴出することがわかった。また、中程度の光度(near-Eddington disk)を持つ円盤からはライン吸収加速による円盤風が吹き出すことがわかった。比較の結果、Super-Eddington diskモデルは超高度X線源(ULX)の観測とよく一致し、ライン吸収加速風が活動銀河核で観測されるUltra Fast Outflowをうまく説明できることもわかった。本講演では最近話題のULXパルサーについての研究成果についても触れる。
東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, 院生コロキウムに引き続き, 談話会を開いています. 第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます. 講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.
13:30-14:30 | 院生コロキウム | 講義室 |
15:30-16:30 | 談話会 | 講義室 |
16:30- | お茶の時間 | 講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~ |
# | Date | Speakers | Title |
290 | 2016/9/8 (Thu) 15:30 - 16:30 | 大須賀健 (国立天文台) | ブラックホール降着円盤とジェットの物理;最近のシミュレーション結果と今後の課題 |
291 | 2016/9/29 (Thu) 15:30 - 16:30 | 中村卓史 (京都大学) | (TBA) |
292 | 2016/10/6 (Thu) 15:30 - 16:30 | 今田大皓 (宇宙科学研究所) | (TBA) |
詳細はこちら: 平成28 (2016) 年度談話会
# | 日付 | 講演者 (所属) | タイトル |
283 | 2016/4/14 (Thu) 15:30 - 16:30 | 山口正輝 (東大天文センター) | 位置天文観測による、長周期系外惑星および星質量ブラックホールの探査 |
284 | 2016/6/02 (Thu) 15:30 - 16:30 | 下条圭美 (国立天文台) | ALMAで探る太陽大気 |
285 | 2016/6/23 (Thu) 15:30 - 16:30 | 前澤裕之 (大阪府立大学) | SPART望遠鏡の紹介と、他測器による最近の太陽系惑星観測の動向 |
286 | 2016/7/7 (Thu) 15:30 - 16:30 | 野村英子 (東京工業大学) | TW Hyaまわりの原始惑星系円盤ガス・ダストのALMA観測 |
287 | 2016/7/11 (Mon)※曜日注意! 15:30 - 16:30 | 唐津謙一 (TU Delft) | DESHIMAの近況報告と実験室での性能評価 |
288 | 2016/7/21 (Thu) 15:30 - 16:30 | 勝田哲 (中央大学) | 超新星残骸に伴う非放射性衝撃波(Hαフィラメント)の可視光観測 |
289 | 2016/8/25 (Thu) 15:30 - 16:30 | Nguyen Luong Quang (NAOJ/EACOA Fellow) | The star formation law of ministarburst molecular cloud complex |