要旨: CMB 観測など、広い視野の望遠鏡を用いることが本質的である観測計画が増えてきている。 そのような状況下で、多素子の高感度検出器の開発は精力的に進められたが、それらの観測 効率を最大化するような電波望遠鏡光学系の系統だった設計手法は確立していなかった。
これまで広視野電波望遠鏡の光学系を設計する際に用いられることが多かった手法は、光線 追跡からストレール比を計算し、ストレール比が良好な設計に対して物理光学による評価を 行うというものであった。しかし、電波望遠鏡の評価に必要な指標は開口能率やビーム パターンといったものであり、ストレール比とは直結していない。このような方法は物理 光学の計算に比較的時間を要する、どの設計パラメータを調整すれば性能が改善するかの 見極めが極めて難しい、公差解析のような何万通りもの場合を計算すると現実的な時間で 終わらない、といった問題を抱えていた。
Nagai & Imada (2016) と Imada & Nagai (2016) による理論的な考察から、波面 収差とフィードの特性の関数として、開口能率やビームパターンを記述できることが明らかに なった。波面収差は光線追跡から多くの場合において精度よく計算することができ、得られた 波面収差を用いて開口能率を計算する方法を紹介する。この手法を応用すれば、ストレール 比を評価軸にして行っていた光学設計や性能評価を、開口能率やビームパターンを評価軸に した設計、評価にすることができる。
Abstract: The evolution of protoplanetary discs (PPDs), which are the birth place of plants, is still poorly understood; one of the unknowns is the dispersal mechanism of PPDs. It is generally considered that the gas component of a PPD is dispersed by the combination of viscous accretion to the central star and photoevaporation. We proposed that vertical outflows driven by the magneto turbulence in PPDs are a viable mechanism that disperses the gas component of the PPDs. Because the mass flux of the disc winds is inversely proportional to the local Keplerian time, the gas component of a PPD is cleared in an inside-out manner. As a result, the radial profile of the surface density is positive, which is opposites to the radial profile expected from standard accretion models. Such a positive slope strongly affects planet formation because it inhibits the inward drift or even causes the outward drift of pebble- to boulder-sized solid bodies, and it also slows down or even reversed the inward migration of protoplanets.
東京大学・天文学教育研究センターでは2003年4月から, 院生コロキウムに引き続き, 談話会を開いています. 第一線で活躍されている研究者の方々を講師にお招きし, 最先端の研究成果をお話しいただきます. 講師の方には, 大学院生の参加者のことも考慮し, レビュー的な側面も含めた上で, ご自身の研究紹介をお願いしています.
13:30-14:30 | 院生コロキウム | 講義室 |
15:30-16:30 | 談話会 | 講義室 |
16:30- | お茶の時間 | 講義室横のお茶部屋~講師の方を交えて~ |
# | Date | Speakers | Title |
292 | 2016/10/6 (Thu) 15:30 - 16:30 | 今田大皓 (宇宙科学研究所) | 幾何光学で物理光学を肩代わりできるのか ー GRASP なしでつくる広視野電波望遠鏡ー |
293 | 2016/10/27 (Thu) 15:30 - 16:30 | 鈴木 健 (東大・総合文化研究科) | Evolution of Protoplanetary Discs with Magnetically Driven Disc Winds |
29X | 2016/12/22 (Thu) 15:30 - 16:30 | 青木和光 (国立天文台) | TBA |
詳細はこちら: 平成28 (2016) 年度談話会
# | 日付 | 講演者 (所属) | タイトル |
283 | 2016/4/14 (Thu) 15:30 - 16:30 | 山口正輝 (東大天文センター) | 位置天文観測による、長周期系外惑星および星質量ブラックホールの探査 |
284 | 2016/6/02 (Thu) 15:30 - 16:30 | 下条圭美 (国立天文台) | ALMAで探る太陽大気 |
285 | 2016/6/23 (Thu) 15:30 - 16:30 | 前澤裕之 (大阪府立大学) | SPART望遠鏡の紹介と、他測器による最近の太陽系惑星観測の動向 |
286 | 2016/7/7 (Thu) 15:30 - 16:30 | 野村英子 (東京工業大学) | TW Hyaまわりの原始惑星系円盤ガス・ダストのALMA観測 |
287 | 2016/7/11 (Mon)※曜日注意! 15:30 - 16:30 | 唐津謙一 (TU Delft) | DESHIMAの近況報告と実験室での性能評価 |
288 | 2016/7/21 (Thu) 15:30 - 16:30 | 勝田哲 (中央大学) | 超新星残骸に伴う非放射性衝撃波(Hαフィラメント)の可視光観測 |
289 | 2016/8/25 (Thu) 15:30 - 16:30 | Nguyen Luong Quang (NAOJ/EACOA Fellow) | The star formation law of ministarburst molecular cloud complex |
290 | 2016/9/8 (Thu) 15:30 - 16:30 | 大須賀健 (国立天文台) | ブラックホール降着円盤とジェットの物理;最近のシミュレーション結果と今後の課題 |
291 | 2016/9/29 (Thu) 15:30 - 16:30 | 中村卓史 (京都大学) | a-LIGOとa-VirgoはO2で何を新たに発見するだろうか? |